第3章 いかにして人を資産化するか
時間を資産に置き換える
3 価値が金額換算できること(第7回参照)
ランキングでは4位ですが、やはり米国がベンチマークになるのではないでしょうか。購買力平価で出された2012年OECD加盟諸国の時間当たり労働生産性指数では、米国が64.1に対して日本は40.1で、実に1.6倍の差があります。
この数字を見れば日本の生産性がいかに低いかがわかります。現状に甘んじていては、この大事な事実を見過ごしてしまいます。
年間総労働時間が1740時間の企業が収支トントンを目指すならば社員の時間単価は5746円となりますが、これを米国企業の時間当たり労働生産性指数に置き換えると1.6倍の9193円となります。かなり大きな開きとなります。
金額だけを見れば松下幸之助氏の説く“給料の3倍目標説”を実現していることになります。昔から指摘されてきたことですが、米国と日本の労働生産性の間には大きな差があります。この開きを真剣に縮める努力をするべきなのです。
ここで整理しておきましょう。年間総労働時間が1740時間と仮定した場合、社員の時間単価は2873円となり、その3倍は8619円です。果たしてこの8619円という水準をどのように考えたらよいでしょうか。手が届かないような高い水準でしょうか。
ここで、米国の労働生産性が日本の1.6倍であることを思い起こさなければなりません。仮定した収支トントンの5746円を1.6倍しますと、9193円になるのです。