著者・カタイナチギリさんと人気麻雀系YouTuber・堀内正人さんが動画内で『千本夜桜』の魅力を徹底解剖!

一本場 風変りな麻雀部

夜深の認識では麻雀はただの卓上ゲーム。もっと言うとギャンブルのイメージが強い。

「麻雀はれっきとした頭脳スポーツだよ!」

両手の拳を握り、淀みのない面持ちで力強く断言されては、何も言い返せない。

反論の隙を与えないような凄みすら感じた。

「……そうなんですか?」

「うん、そう!」

笑顔まで添えられては、そういう側面もあるのだろうと受け入れてしまいそうになる。

「実際、eスポーツなんか今じゃもう当たり前だしな」

涼の発言だったのでなんとなく不服だったが納得もした。

「確かに、パズルとかカードとかいろんなゲームが競技化されてるもんな」

「そういうこと、麻雀だってプロのリーグ戦があって技を競うんだから、麻雀とギャンブルをイコールで結びつける考えはもう古いんだよ」

思考を読まれていたかのような指摘に、夜深は若干たじろぐ。

実際、麻雀への印象は夜深のように関わりの薄い者ほどアングラなイメージを抱いていそうで、年配の人ほどさらにそのイメージが強い気もする。ただ若い世代では、配信者の動画やネット麻雀を通じてエンタメとして認知している者も少なくはない。

それは麻雀ブームと言っても差し支えないだろう。ただ、夜深には雀荘に集まって大人達が実際に牌に触れている麻雀と、それ以外とでは全くの別物という認識があったのだ。

「……まあ、それはそれとして」

あからさまに話題を切り替えた夜深に、桜歌は小首を傾げた。

「九重先輩は俺が入りたい部活があって月峰に入学したとは考えなかったんですか?」

月峰高校は部活動に力を入れている高校で、特待生も多い。

そうじゃなくても強豪校の部活に入るため、一般で入学した生徒も沢山在籍している。

「………………」

「あっ、察しました」

「違う、違うのーっ! そうじゃなくて!」

名前の件といい、どうやら桜歌は行動力はあるが抜けているところもままある人物のようだと、内面が少しだけ見えてきた気がした夜深だった。

それから一分も経たないうちに、夜深達は部室棟に到着する。

「さあ、ここが我が麻雀部です!」

グラウンド側から見て本校舎の右側に位置するのが部室B棟だ。

二階建ての部室B棟の一階部最奥に麻雀部はあった。