【前回記事を読む】「れっきとした部活動だ」学校の一眼レフを構えた男子高校生に誰も反論できなかったが…彼は密かにストーキングを繰り返しており……
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写真部ってあれだよな。顧問の気が向いたらコンクールに出したりするけど、基本的に文化祭とかで写真を展示する以外あまり活動している印象がない、ゆるい部活。
私が所属している文芸部と同じくらい活動実績のない、実質的な帰宅部だ。
「おかしくない? なんで写真部にそんな高そうなカメラがあるの?」
写真部にこんな立派なカメラが買えるほどの部費が割り当てられているとは思えない。
現に文芸部の部費は人数に対して雀の涙程度の金額しか出なかったと聞いているし、写真部の部活動紹介ではスマホ撮影がメインと言っていたはずだ。
「去年卒業していった先輩の私物だったらしい。卒業記念で別のカメラを買ってもらったから、古いほうのカメラを部に寄付してくれたそうだ」
「その先輩と知り合いだったりする?」
「全然。俺は部活に全く顔を出してなかったから、顔どころか名前すら知らない。でもカメラを置いていってくれたことには感謝している。スマホの撮影は結構限界があるからな」
まさかその先輩も寄付したものがストーカー紛いの行為に利用されるとは思わなかっただろう。そうなることがわかっていたら寄付しなかったに違いない。
西海はそこからろくに口も利かずに東堂の撮影に熱中していた。運動会の保護者でもここまで熱心に撮影しないんじゃないだろうか。
東堂がシュートを決めた瞬間を連写する音が聞こえてくる。レンズの向いている方向で大体わかるけど、東堂ばかりを撮影している。
知っていた。
部活動なんてしょせん建前なんだってことくらい、カメラを取り出した時点でわかっていた。
それはそうとして、試合は途中まで手に汗を握る熱戦だった。スポーツ観戦なんて画面で見るだけで十分だと思っていたけど、現場の白熱した空気を味わえるのは案外楽しいかもしれない。