西海にカメラを渡されたので一応画面を確認する。そして後悔する。

走っている東堂、ボールを蹴る東堂、チームメイトとハイタッチする東堂、シュートを決めている東堂、後ろ姿の東堂、何か指示を出しているっぽい東堂、走っている東堂その二、その三、その四、悔しそうな東堂。当たり前のように東堂の写真ばかりだ。

良し悪しの差が全くわからない。

「悩むくらいなら全部残せばいいじゃん」

「残せるならそうしている。でも学校の備品を使っている以上、活動実績としてデータを提出する必要がある。さすがに一彦ばっかり撮ったデータを提出するわけにはいかないだろ。不審に思われない程度にもう少し枚数を絞らないと」

「東堂ばっか撮ってるからそうなるんだよ。もっとサッカー部全体を平等に撮りなよ。部活動の一環なんでしょ」

「そんなの建前に決まってるだろ」

「知ってるよ。それを理解したうえでアドバイスしてあげてるんだよ、感謝して」

「……もういい、選ぶ気がないならカメラを返せ。自分で選ぶ」

それができないから頼んできたんじゃないのか、と思った通り、難しい顔をして写真を厳選している。なかなか難航しているようだ。

ピーッとホイッスルがグラウンドに響き渡る。

集中している西海には聞こえていないのか、カメラの画面から顔を上げる気配はない。

その集中力をもっと他のことに使えばいいのにと思う反面、こうも一途に東堂を想う西海のことを少し尊敬してしまう。

真剣に、そして純粋に好きな人の写真を見つめる西海の目はきらきらと輝いていて、眩しくて、なんだかとても綺麗だった。

 

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