「この話、重要? 今いいところだから」何でそんな顔をされなきゃいけないの? 変なのは彼の方。デート中にイヤホンで…
親友を推してるヤバいやつの彼女
【第7回】
ほいっぷ
pixiv主催 「推し」×ヒミツの恋愛“推し恋”小説コンテスト 優秀賞受賞作品
友達思いの域を超えた、ヤバすぎる“推し活”!?
ハイスペ美男子×クラスの地味オタ、噛み合わない関係が織りなす奇妙なラブ(?)コメディ!
補習帰りにふと目にした、学年トップの秀才・西海十李の切なげな眼差し。視線の先には、彼の親友とその彼女。まさか彼女が好きなのでは?と軽い気持ちで尋ねたことが、すべての始まりだった。「北田、俺と付き合ってくれ」まさかの展開に戸惑う地味オタ・北田千鶴。しかし、西海の目的は恋愛ではなく、同性の親友への“推し活”だった!?ダブルデート、盗聴、ストーカーまがいの奇行……理論派ストーカー(?)と巻き込まれ体質女子の行く末は?※本記事は、ほいっぷ氏の小説『親友を推してるヤバいやつの彼女』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。
【前回記事を読む】私そっちのけで、ある1人の男友達に異常に執着する彼氏…「それってライクなの? ラブなの?」と聞くと…
#2
ダブルデート当日。
四人で遊園地を一通り回り、私は西海とベンチに座っていた。
目の前にはジェットコースターのレール、それに乗るための行列に並ぶ東堂と南さんははるか遠く、今は肉眼で捕捉できない。
「ジェットコースター、乗らなくてよかったの?」
私が怖いからとジェットコースターを辞退したら、なら俺も、と西海がついてきた。ジュースも奢ってもらった。
傍目(はため)に見ればジェットコースターが苦手な彼女に付き合って休んでくれる優しい彼氏に見えるのだろう。
だが私も馬鹿ではない。西海が私を気遣って付き添ったわけではないことくらい察しがついている。
「? ……今、何か言ったか?」
気づけばイヤホンで何かを聞いていたらしい西海は、私が話しかけたのに反応して片耳を外してこっちを向いた。
「何聞いてんの?」
「一彦たちの会話」
「は?」
「一彦たちの会話」