10日目 先は長く汗びっしょり(3月22日)

土佐東街道(国道55号線)を長距離歩きます。県境の古目峠(こめとうげ)を越え、高知県東洋町に入ります。「発心の道場」から「修行の道場」へ修行の地を移します。札所間、約80キロを二泊三日かけて歩く2日目。巡拝霊場はありません。

3時間ほど歩いた所で、海岸から「ゴロゴロ」と石がぶつかり合うような音が聞こえてきました。普段よく耳にする波が「ドーン」と打ち寄せ「サー」と引いていくのと全く異なり、石を引きずるような音のするゴロゴロ海岸です。

この地区の地名は「東洋町大字野根字ゴロゴロ」。地元の方は、現在でもこの周辺をゴロゴロやゴロゴロ浜と呼んでいるそうです。

ゴロゴロ海岸

ここには弘法太師が腰の怪我をした旅人の治療に、ゴロゴロ浜の石を温めて使ったという伝説も残っており、石を旅路のお守りとして拾う風習があるのだとか。想像するに、元になったのはお遍路さんの知恵だったのではないかと思うのです。

四国に来ると何かといえば弘法大師を持ち出す。こんなに弘法大師の名前を安売して「イイノスカヤ」。危ないあぶない、また罰当たりなことをいってしまいました。

この区間約30キロは、大正時代までお遍路最大の難所と言われ、お遍路さん泣かせの危険な箇所だったそうです。切り立った山が迫り道路を拓けず、お遍路さんは室戸岬まで荒波のよせる磯を遍路道として歩いたのです。

現代は磯ではなく法面を削って拓いた立派な道路をお遍路しています。足下はしっかりしていますが、雨降りの翌日なので湿度がかなり高く汗びっしょりです。

四国八十八ヶ寺歩きお遍路を始めて10日目。23霊場を巡拝し徳島県(阿波の国)から高知県(土佐の国)に入りました。

徳島県(阿波の国)の10日間238.5キロは、この先にある高知県(土佐の国)での「修行」に耐え抜く体力・精神力を身につけるための時間だったように思います。

歩きお遍路を始めて、日も浅い3日目に、最初にして最大の遍路ころがし12番札所焼山寺に挑ませ、その後に長い遍路道を歩かせて気持ちが折れるか否かを試し、さらにその4日後には二つの遍路ころがしを一日で越えさせるというだめ押しをしています。この理由が今になって分かるような気がします。

 

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