「勿論ですよ。神木は外見は今時の若者ですが、人当たりも悪くないですね。マネージャーの久保さんも若いのに礼儀正しく、月1のライブの時も丁寧に挨拶してくれます」

俺は質問を続ける。

「神木と久保さんは普段、どんな感じですか? 仲が良さそうだったとか?」

清水智哉は

「私はその二人とは常に一緒にいるわけではありませんので、なんとも……」

俺は質問を変えてみた。

「分かる範囲でいいのですが、最近の二人の様子で変わった事とか、気がついた事とかありますか?」

清水智哉は思い出そうとしているのか、思案した後

「そういえば……先月のライブの後、2人にライブの感想を伝えようとして控室に行くと、室内から言い争うような声がしてましたね。ドアをノックしたらピタリと止みましたが……」

俺はメモを取りつつ、もう一歩核心に迫ろうとして尋ねた。

「死体騒ぎのあった当日はどうでした?」

清水智哉は、少し顔を曇らせながら話した。

「その日は事務仕事があって……二人と話はしませんでした」

その時、俺の隣にいた片倉が割って入って来た。

「そして……事務作業をしていると、突然警察官がやって来たと?」

清水智哉は慌てて答える。

「そ、そうです。警官が来たかと思うと『死体はどこですか?』とか『現場を見せて下さい』とか。こっちとしては訳が分からなかったです」

俺は清水智哉の様子を見ながら更に質問をしてみた。

「警官が到着した時、神木と久保さんのお二人はどちらに? 確か……ライブが終わった後なんですよね?」

清水智哉は額に汗をかいて答える。

「そ、その日は別の仕事があるからと、二人ですぐにライブハウスを出ていきました」

俺は清水智哉の〈明らかな嘘〉に心の中でほくそ笑む。そして一つの事実を見せる事にした。俺はポケットからビニール袋に入った髪留めを取り出し、清水智哉に見せた。