「アルシューラとハトウィック(1)」は、幼稚園の先生で、幼児と色彩の実証的研究で博士論文を取っています。そこでは赤色は、自然なストロークの場合は健康的な表現なのですが、ぬりたくる場合は、攻撃性が強い意識の反映があるといわれています。

この子どもにとってお母さんは、いつも口うるさい存在なのかもしれません。その後、そのお母さんがどうされたかは存じ上げませんでした。

翌年、また同じように私は、講演会に呼ばれました。そして、講演会が終了し職員室にいると、園長先生に今年の母の会の会長さんは、昨年、私がお話をされた方ですと言われ驚きました。私を講演会に呼んだのもその方だということでした。

しばらくして、その方が入ってこられました。挨拶をし、お話を伺いました。すると、昨年の私の話からそのお母さんは反省をし、子どもへの関わりを変えたところ、子どもとの関係が良くなったとのことでした。それで、再度、私をお呼びしました、ということでした。 私の絵の評価が妥当であったことについて、正直とてもうれしく感じました。

色彩で子どもの絵を判断することは、科学的な根拠がない場合は避けるべきでしょう。私は、アルシューラとハトウィックの文献を読み、実際の子どもの絵を見て、その子どもの担当の保育士に私の判断を聞いていただくことを試みました。

そうしたところ、少ない事例ですが、その解釈が子どもの姿に妥当したのです。この領域は、まだまだ研究の進展が求められると思われますが、一つの参考になると思われます。


(1) 中野佐三編『児童画と性格』金子書房、1957 参照

 

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