【前回の記事を読む】92歳の母がリビングで走り、滑って骨折。手術翌日「トイレに行きたい」と何度も訴える母の願いに、息子は応えられず……

第2章 骨折 早期退院目指して

手術とその後の不安 ベッドから転落

早朝の見回りで、看護師が発見した。母は床に大の字になって寝ていたという。オムツをはだけて下半身スッポンポンにして。看護師と顔を合わせてニコッと笑っていた、と言う。恥ずかしく、ばつが悪かったのだろう。

床まで一メートル以上の高さがある柵を乗り越えて転落していたのだ。大便をしにトイレに行こうとしたのだろうが、どこにそんな力があったのか、驚くばかり。幸いにレントゲン撮影で骨折もなくホッとしたが。

さらに、夜中に私の名前を呼び続けるので隣のベッドの入院患者から苦情が寄せられた。そして翌朝、看護師から「鎮静剤を注射しました」と知らされた。

母からは「ベッドに手が縛り付けてあったの」と聞かされた。

「ああ、この病院で三ヶ月も入院すれば、廃人か認知症になってしまう……なんとかしなければ」と痛感した。同じ手術をしてほどなく亡くなった親戚のおばさんやおじさんの姿が目に浮かぶ。ここが剣が峰だ!