【前回の記事を読む】15年前の今日、夢を叶えてジャーナリストになった男が亡くなった。床が抜けるほど本を読んでいた彼が、何故……。

5月3日(哀悼の日)

その新聞で、私は小尻さんが新聞記者になる夢を叶えていたことと、亡くなったことを同時に知りました。

「折角念願が叶って新聞記者になったのに、何という巡り合わせなのだろうか。何故、小尻さんが?」と、衝撃を受けました。

人の一生を、そして家族の一生までも無残に変えてしまったこの凶悪な犯行を許すことはできません!

同じサークルで小尻さんと親しく過した私の親友は、すぐ彼の連れ合いの方に思い出を綴った手紙を書いたそうです。

それから毎年5月3日の朝日新聞には、この事件と捜査の経過が報道されています。そして、今日がその15回目の命日であり、今日の午前0時にはこの事件は時効を迎えるのです。

何と恐ろしく痛ましいことなのでしょうか。時効なんてありえません。それもたったの15年でなんて! 改めて小尻さんとご家族をお気の毒に思います。

そして、小さな子どもさんを残して亡くなられた小尻さんの魂が安らかでありますようにと祈らずにはいられません。

言論の自由を封じようとして行われた襲撃だったとニュースで報道されていました。底知れない恐怖を感じて身が竦みます。

ひたむきに努力をしておられた小尻さんの青春時代の姿を垣間見た者として、「無念さ」と「怒り」が募ります。

彼の同僚達は、決して暴力に屈することなく発言し、報道し続けることでしょう。それを小尻さんも望んでいらっしゃるのでしょうね。

もうすぐ、0時、私は今夜友人であるあなたと一緒に、小尻さんと御家族に哀悼を捧げたいのです。

このメールの返信に、私の友人は、アメリカでは殺人の罪に対して時効はないと書いていました。

あれから更に19年の月日が流れました。事件解決への手がかりを待っておられた小尻さんのご両親もすでに亡くなられました。お父さまは亡くなるまで毎日小尻さんのお墓参りを欠かされなかったそうです。

日本では、2010年に公訴時効制度の改正が行われ、殺人罪など法定刑の上限が死刑であるものについては、公訴時効は廃止され、犯罪行為の時からどれだけ時間が経過しても犯人を処罰することができるようになりました。

もっと早くこの制度が改正されていればと思わずにはおられません。と共に、異なった意見が自由に語り合える社会の実現を目指して奮闘していきたいと思います。