【前回記事を読む】日本の制度には"欠陥"がある。当時の官僚が規模に応じた価格設定を嫌がり、立地規制をサボったので、現在多くの外国資本に甘い蜜を……

第1章 日本と欧州の再エネ事情を比較検討

1-2 ドイツの再エネの柱・風力発電
〜日本では適地不足〜

(1) 日本とドイツ:制度と市民参加が決定的な相違

なお、これ以降の本稿における数値は、注釈がない限りフラウンホーファー ISE太陽エネルギーシステム研究所1によった。同機関はドイツのフライブルクにある、ヨーロッパ最大の太陽エネルギー研究機関だ。

ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語によるものだが、翻訳機能を使えば、日本語変換もできる。「エネルギーチャート」、「エネルギー」、「発電に関する円グラフ」と進めば、ヨーロッパ主要国の詳細な数値を選択できる。更に、「ソース」を「公共」と「トータル」に選択可能だが、フランスなどの統計にはない。

ドイツの24年度の再エネの内訳については、風力は電力全体の33%(陸上26.88%、洋上6.2%)と断トツ1位。第2位の太陽光発電は14.2%だ。続いて水力9.9%、バイオマス8.9%と続く(本稿では、基本的に公共の数値を用いることにした)。

ここで、日欧の統計の違いや水力の種類について触れることにしよう。日本においては水力発電についてすべて一括して数値化されることが多い(但し、資源エネルギー庁のホームページには一般水力として「流込式」「調整池」「貯水池」三分類と、「揚水式」として4種類の集計数値が掲載されている2)。

一方、欧州の統計は、Hydro water Re-sevoirとHydro Run-of-the-riverの二分類だ。Hydro water Resevoirは「水力貯水池」と、Hydro Run-of-the-riverは「流れ込み式水力発電(ROR)」と翻訳されている。

しかし、クリストフ・ワーグナー氏(再生可能エネルギーオーストリアEEÖ会長)に直接伺った話によれば、「この二つの違いは統計上のもので、あまり意味がない」という。 また、小水力発電の定義も日欧で少し違う。

ESHA(ヨー ロッパ小水力発電協会)では、「10,000kW以下」を小水力として扱っている一方、日本においては、2002年6月に公布された「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」に関する省令で、1,000kW以下の水力発電を小水力発電とされたので、1,000kW以下を小水力発電とすることも多い。