【前回の記事を読む】大半のマンション管理士は「理事会決議に従うのが正しい」と信じている…だが、その判断は行政の意図通りに”誘導”されていて…
第一章 マンション管理の用語と管理組合運営のトリセツ
5 無責任な民主主義より合理的な帝国主義の方がいい
ところで、マンション管理適正化法はマンション管理をマンション・マネジメント(B to B)として捉えていますので、管理組合が安心してB to Bに踏み出すには、自分たちは消費者ではなく法人である事実確認とマンション管理業務を管理会社に丸投げしないためのバックヤードの整備が必要です。
※管理会社と管理組合の関係は、前者は営利団体であり、後者は権利能力無き社団ですからB(Business)to C(Customer)の関係ではなくB to Bです。しかし管理組合や組合員は無論の事、世の中はB to Cと思い込んでいます。そこに大きな齟齬が生じています。
視点を変えれば、管理組合が管理会社に頼らざるを得ない大きな要因は管理会社のバックヤード(各種業者とのネットワーク)ですので、管理組合にマンションの各種保守業者の分散管理を提唱しても具体的な企業名を提示しなければ管理組合は動きません。動くにはリスクが大きすぎます。
マンション管理士が管理組合の自立化を叫んでも、先ずやるべき事はバックヤードの充実です。
このたび創設した「業者バンク」は正にマンションの修繕業者や設備業者を当NPOのホームページから管理組合が手軽にアクセスできるツールです。これがあれば管理組合は管理会社に頼らずに業者から見積書を入手し交渉できます。
しかし従前のマンション管理士の団体であれば、業者バンクを創設するには何回となく理事会を開催し、理事を説得しなければならなかったと思いますがお陰様で当NPOの会員から信頼されている私の一言で2021年の初秋に立ち上げる事ができました。
ところで「無責任な民主主義より、合理的な帝国主義がいい」という言葉を聞いた事がありますか? 2020年10月に逝去されたファナックの創業者(故稲葉清右衛門氏)の名言です。
日本人は形から入るのが好きです。例えば専門委員会を設置する際にも使用細則を決めるのに数か月要し、場合によれば1年以上費やします。これでは時機を逸してしまいます。今の時代、PDCAよりDCPAです。
無責任な民主主義、まさに輪番制理事制度を指していると思いませんか?
6 管理組合って何?
ところで、管理組合って「木を見て森を見ない」区分所有者が多いと思いませんか? 総会議案書や議事録の「てにをは」や一言一句に目を取られ、大局を見失う人が多いと思うのは私だけでしょうか?
そんな人たちに、是非とも気宇壮大な故人の偉業に触れて森を見る感覚を掴んで欲しいと思います。管理組合を捉えどころのない組織と思っている人は多いと思います。
その要因の一つが、殆どの管理組合は輪番制で選出された理事にあるのではないでしょうか?