男の欲望が全開になり、奥の個室トイレへと嫌がる素振りを全く見せない女の腕を引っぱっていき扉の鍵をロックした。

マーブルの大理石パネルでセパレートされた狭い密室空間に女のパヒュームの香りが刺激的に漂い、また一段と正春の官能(かんのう)に火を付ける。

――もうこうなったら理性もへったくれもないのだ。

未使用の紙テープが付いたままのフタに両手を突かせ、伸縮性のあるワンピースの裾(すそ)を後から捲(めく)り上げると、際どく透き通るピンク色の小さな下着を発見する。

正春は余りの興奮で何をかする前に果ててしまうと覚えながら、素早く女の足首までその手触りなめらかなショーツを降ろした時、女は片脚を引き抜いてから大胆にも両方の脚を大きく開き、さあどうぞなのだ。

“この女はそんなにH経験が豊富なのか!?”

ほんの数分、いやもしかしたら数秒の間かもしれない激しい睦(むつ)み合いの最中(さなか)、正春の脳全体が真空になる衝動(しょうどう)が一気に襲いかかる。

その刹那(せつな)、男根を性急(せいきゅう)に包み込んでくる女の脈動を同時に感じてもいたから間髪(かんはつ)入(い)れず抜き去ると、正春の迸(ほとばし)る体液はトイレ内の何処(どこ)かに勢い良く飛んでいった。

お互いが息遣(いきづか)いや声を発せられる状況にないので、却(かえ)ってそれが2人を一瞬にして燃え上がらせたのだ。

絶頂の余韻(よいん)が冷めやらぬまま脚を微(かす)かに痙攣(けいれん)させつつ強く抱きしめ合う――。

そして唇を重ね合わせた。未(いま)だ激しい胸の鼓動は止(とど)まることを知らない――その時ふと気がつく、女の目元から涙がこぼれているのを。

 

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