【前回の記事を読む】私は、2人の死に目に立ち会えなかった――いくつになっても子ども扱いしてきた両親…冷たい肌に触れても、別れの実感はわかず……

私が空を飛ぶ理由~つばめのつばさ~

二つの発見

人間の腕は細くて短く、大きな羽もない。私はそんな「人間が飛べるわけない」という思い込みを一旦横に置いて、「根拠はないけどもしかしたら飛べるかもしれない」と信じてみた。加えて両腕のトレーニングと、動かし方についてたくさんの試行錯誤を重ねた結果、夢の中とはいえ自分の意志で飛べるようになれた。これは“発見”だった。

高さ2メートルくらいから始めて、5メートル、10メートル。次には横への移動や、風への対応だけでなくうまく乗る方法を覚え、腕をなるべく疲れさせずに遠くまで飛ぶ技術も習得した。さらに練習を重ねて自信をつけることで、今や片道100キロメートル、いやそれ以上の距離を飛べるようになった。

風を利用してさらにスピードを上げる術や、休憩の取り方なども工夫すれば、もっと遠くまで飛べるようになるだろう。渡り鳥のように、国境や大きな海までは超えられなかったとしても。

もう一つ私が夢の中で“発見”したのが、時間を超えるタイムリープだ。他界した両親や猫の登場は、向こうが私の夢にやって来たと思っていた。これも思い込みだったようで、時を超えていたのは私のほうだった。未来はわからないが、少なくとも過去には自分の意志で戻れそうだとわかった。

問題は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の映画のように西暦と月日、だいたいの時間まで指定して戻れるかどうかだ。飛ぶときの目的地とはちがって、自分の意志通りに選べそうにない。これもできると信じ、トレーニングと試行錯誤を繰り返せば何とかなるだろうか。