はじめに

この本に登場する「母」はあなたの家族かもしれません。人生で初めて体験する未知の世界でもあります。次から次へと問題が発生し、あなたの「判断」や「決断」を迫ります。

この本は2000年(母、八十九歳)から2013年(百二歳)まで十三年間の介護の記録です。介護保険は2000年に導入されたものの未整備な時期と重なります。

脳梗塞から骨折、認知症、嚥下障害、そして看取りに至るまで、母とともに歩んだ実録、単なる体験記ではなく、医療・介護制度の実際、家族の心の変化、在宅介護の現実をありのままに記しました。

介護を始めたばかりの人、これから親の介護に直面する人に「心の準備」と「小さな希望」を届けたいと思います。決して自慢できる介護ではなく、失敗も多かったのです。特に看取りの段階での混乱はこれから看取りへの準備段階にある人にとっても参考になると思います。医療従事者や看護関係者にも読んでもらいたいです。

 

この本には薬剤の使用について書かれていますが、あくまでも著者個人の体験を記したものであり、効果を保証するものではありません。