ここは小森勝の家です。
深夜、小森勝は布団から突然ガバッと起き上がりました。
「あー眠れん。眠ろうと思っても寝付けない。それに途中で目が覚めてしまう。やだやだ何だかつまらん。それに比べ女房のよく寝ること。いびきをかいて、この女には悩みはないのかね。なんていびきだ。あーいびきがうるさくて眠られない。隣の部屋で寝よう」
勝は布団を持って隣の部屋へ移りました。
でもしばらくしてまた起きて布団の上に坐りました。
「みんな逝ってしまったな。田場もさきちゃんもみんな逝ってしまったな。俺だってもう残りの時間はあまりない。みんなあの世で待っているかな。でも生きていたってやる事ないし。生活も何だか面白くないな。生きている甲斐がない。子供たちも遠くへ行ってしまったし。毎日がつまらん。寄り合いに行けば馬鹿にされるし。飲みに行く元気も出ない。それに腰は痛いしなあ動く気にもなれん」
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