手水場で、手を洗ったついでにカードを浮かべると、蓮の花のように開いて手書きのメッセージが現れた。解読できないのでGoogle翻訳で確認すると、素敵な言葉だった。遍路の旅は世界の人々との小さな出会いをプレゼントしてくれる。

お参りを済ませ、疲れた足を靴から解放しようとベンチでストレッチしていたら「ハーイ! ミカ!」と声がかかった。振り返るとブラジル人夫婦。思わず「パパー」と抱きついてしまった。彼らの温かさについ甘えてしまう。パパたちはお参りを済ませてしばらく休憩していたが「またどこかで会うよね(笑)」と次へ向かっていった。

私も出発しようと思いながらストレッチをしていると、観光バスで団体のお遍路さんたちが到着した。先達さんに率いられた高知からの団体だった。汗だくでリュックを背負いストレッチしている私に興味津々で、「お姉さん、歩き遍路かい?」「順打ちかい? 逆打ちかい?」と次々質問される。

一人ひとりに答える気力と体力がなくなり、意を決してベンチに立ち、拡声器のような声で「初めて歩き遍路にきました。順打ちです! 88番まで目指します! 皆さんはどちらから?」と尋ねると、全員が声を揃えて「高知からですー!」と答え、思わず全員大爆笑となった。

その後はおもちゃを見つけたかのように私を囲んで話が盛り上がり、驚いたことに80歳過ぎのお母さん2人から千円札をいただいた。「お金は受け取れません」と丁寧に断ったら、先達さんが「それは断ったらいけません。お接待は、した方もされた方も徳を積むから。お遍路では大事なことや」。と教えてくれ、ありがたく頂戴した。代わりに私の納め札を受け取ってもらう。

先達のヨネちゃんは爽やかで気さくなお母さんで、シーズン中は三日にあげずに先達を務めているという大変な仕事だ。ヨネちゃんとはメアドを交換した。団体の皆さんも「お姉さん頑張って、最後まで行ってや~」と応援してくれた。

気づくと道草を食い過ぎていた。19番に向かわないとチェックインに間に合わない。

痛む足を再び靴に入れ出発。19番までは6km 。足が歩くのを拒否しているのがわかる。無理矢理動かしていると札所目前でまたもお接待を受けた。アイスコーヒーを出してくれた。四国の人は本当に優しい。

19番立江寺でお参りを済ませ、宿に向かう。今夜は素泊まりなのでコンビニで食事を調達し、チェックイン。同行者たちが到着する前に風呂に入り、そのうち2人も来て一緒に食事して就寝。明日は2度目の難所だ。山には登りたくないけれど、お寺は基本的に山の上にあるのだから避けられない。

 

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