【前回の記事を読む】宿に着くと、窓と鏡にお札をびっしり貼り付けていった。200枚近くのお札が貼られた部屋の中、私はドライヤーで…

第一章阿波─発心の道場 初日から倒れそうになる

6日目 2024年9月24日(火)

●気温:30℃ ●天気:晴れ ●予定距離:25km ●参拝目標:17番 井戸寺、18番 恩山寺、19番 立江寺 ●宿泊予定:鮒の里

これまでの4日で同行者2人より歩くペースが遅いと自覚した。私は普段歩くのが速いと言われるが、彼らが速過ぎるのだ。無理に合わせると最後まで辿り着けなくなるから、マイペースを保とうと2人に合わせるのをやめ、一足先に宿を出た。すぐに追いつくだろうと思い気にせず進む。

まずは17番。あっさり到着してお参り。昨日一緒に泊まったデンマーク人のシルビアとユリウスにバッタリ会う。「またね」と挨拶を交わして別れる。同じ方向に歩き続ける仲間とはまたすぐに出会うものだ。

お人形のような2人に朝イチで会うと爽やかな気分になる。17番を後にしたが、次が大変だった。

今日は山ではないが街や山の縁を16kmも歩かないと18番に着かない。4日分の疲れが蓄積した身体に平坦なアスファルトがきつい。2kmも進まないうちに荷物の重さが襲ってくる。100mが苦しく、あと15kmなんて無理と泣きそうになりながら歩を進める。

途中コンビニも自販機もない所でトイレに行きたくなり、営業中の金物屋さんに恥を忍んで借りようと入ると、あっさりトイレを貸してくれただけでなく、汗だくの私に冷たいおしぼりまで渡してくれた。四国の人は本当に歩き遍路に優しい。

足が重く、前に出ない。一歩前に出すのがこんなに大変だとは思わなかった。死ぬ思いで18番札所前に着いた時、別方向からスイス人の女の子が現れた。

挨拶をして「どこから来たの?」と聞くと「スイス」と言っていた。あんな美しい国からなぜこの山奥のお寺を巡るのかと思ったが、疲れ過ぎて英語が出てこず、飴をあげるとお礼にメッセージカードをくれた。水に浮かべると開いてメッセージが現れるという。スイスにもハンドメイド好きがいるのだと感心した。