災害時医療情報の入力・検索・集計は厚労省、県の災害対策本部で行われ、EMISを通して災害対策本部から直接地域病院への協力可能な体制についての問い合わせができるようになっている。地域病院からの被害状況、受け入れ可能状況等の報告が入力される。

DMAT、JMATへの活動状況の問い合わせも同様で、DMAT、JMATから対策本部への活動報告もEMISを通して行われる。EMISはメーリングリストといった情報共有の機能を有し、災害時医療に携わる者が同時に被災の状況と、災害活動の状況をリアルタイムに共有できる双方向性の情報共有システムとして重要なツールである。

ダイヤモンド・プリンセス号におけるコロナ感染の発生は災害とは分類できないが、横浜港に突然降り落ちた厄災で、乗員乗客3806名に対し、緊急にかつ短時間のうちに、診療、検査を完了することが必要である。

おそらくその地域では対応できないほどのコロナ患者が発生するであろうが、その患者を受け入れる病院の手配、受け入れ医療機関への搬送も短時間で完了しなければならない。

コロナ感染症は災害に分類することはできないが、このように突然に舞い降りた大規模な厄災に対して、瞬時に医療活動を展開するためにはDMAT、JMATを利用するしかない、というのが神奈川県の考えであった。

県からの要請を受け、統括DMATであった阿南医師が招聘され、神奈川の災害対策
本部のDMAT調整本部長として就任した。

DMATは4、5人の小さなチームであるが、大規模な災害では多数のチームが参集して大きな組織として活動を展開する。例えば2011年3月の東日本大震災では385チームが招集された。このような多数のDMATを機能的に運用するためには階層的に本部機能、指揮所機能を設置して組織運用をする必要がある。

それを率いるリーダーを統括DMATと呼ぶ。複数のチームを過不足なく運用するためには組織論、リーダー論等の知識が必要である。各都道府県から推薦された限られた医師が所定の統括DMAT研修を受け、厚労省から認定されて統括DMAT登録者になる。

 

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