【前回の記事を読む】コロナ感染者は乗員乗客3806名中712名。実質、国内最初の大規模なクラスター発生だったが、その船は外国籍で…

第1部 コロナ初期 未知のウイルスに対し我々は戦う武器もなく、防備の支度もない中で立ち上がった

Ⅲ 神奈川県ではコロナへの対応は“災害時医療”として始まった
災害時医療とは(DMAT、JMATの仕組み)

広域災害が発生すると直ちに厚労省に災害対策本部が設置され、被災県に設置された災害対策本部と連携して災害対策にあたる。DMATは被災県の要請を受けて、所属する県の要請、ないしは厚労省の直接の派遣要請により出動する。

DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チームと定義されており、医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職および事務職員)で構成され、48時間以内に現地に到着し、現地の災害拠点病院に協力して、医療支援活動をすることとなっている。

その活動期間は48時間以内が原則であり、それを過ぎれば特別な理由のない限り別のDMATと交代するのを原則とする。

DMATおよび災害拠点病院は都道府県単位で構成され、広域災害発生時は所属する都道府県の指示により派遣されることとなるが、その活動は県内にとどまるものではないDMATの活動も、災害拠点病院での患者の受け入れも、広域災害に際しての備えであり、県を越えての活動を視野に入れ、毎年全国レベルでの災害訓練が行われている。

JMATは日本医師会の組織する医療支援グループである。JMAT(Japan Medical Association Team)は、DMATの緊急的な支援を引き継ぎ、被災者の生命および健康を守り、被災地の公衆衛生を回復し、地域医療の再生を支援することを目的として創設された。

人員構成はDMATと同様であるが、構成員は地域医師会の会員より募集し、医師、看護師、事務員がチームを構成し応募する。これを県医師会に申請し、日本医師会から承認されて登録するものである。

広域災害発生時には日本医師会、県医師会、あるいは県からの支援要請を受け、県医師会でJMATチームを選任し、派遣される。主に、災害急性期以降における避難所・救護所等での医療や健康管理(災害前からの医療の継続)。さらに、被災地の医療機関への円滑な引き継ぎに至るまでその活動は多様かつ広範囲に及ぶ。

活動期間は1週間を基本とし、特別な事情のない限り後続のJMATに引き継ぐのが原則である。

DMAT、JMATともに毎年DMATは厚労省主催の、JMATは日本医師会主催の研修会があり、非常時に備えるとともに、平時の横の連携も図られるよう訓練を受けている。

EMIS(広域災害救急医療情報システム)は災害現場での活動に欠かせないツールである。災害時における情報提供を目的としたシステムで、医療機関での患者受け入れ可否の照会、病院の被災状況や稼働可能な職員の確認を可能としており、医療機関の混乱により患者対応ができない事態を回避するために役立てられている。