帰宅は明け方。
空が薄い。鳥が鳴いている。
夜間救急帰りの朝は、世界が違って見える。
寝る前にログを書いた。
【02:10 頻脈】
【03:05 救急受診】
【脱水+軽頻脈】
【点滴対応】
【帰宅】
文字にすると、出来事になる。
頭の中だと、恐怖のままだ。
でも出来事でも恐怖は消えない。
昼に起きた。だるい。
だが安定している。
母が言った。
「行って正解」
「ですよね」
「迷ったら行く」
新ルールが追加された。
午後、主治医に連絡。
夜間記録を送る。
返信は短かった。
【対応適切】
この4文字は効く。動いてよかった。
外来で再評価。
「制限、少し緩めます」
「珍しい」
「あなたは攻めすぎ」
私は守っているつもりだった。
医療基準では攻めだった。
水分の“幅”が決まった。
上限だけでなく下限。
これは重要だ。
闘病は制限だけでなく、必要量もある。何事も、やりすぎはダメ。
帰り道、私は笑っていた。
「イベントでしたね」
母が言う。
「ランダムエンカウント強め」
「ボスではない」
「中ボス」
闘病はゲーム化すると理解しやすい。
夜、少し怖くなった。
また来たらどうしよう。
これは自然だ。
私は対策を書き出した。
・心拍計を枕元
・救急基準メモ
・水分量チェック
・夜間連絡先
不安は、具体化すると弱くなる。
ログの最後に書いた。
【怖かった】
【でも対処できた】
この2行が大事だ。
次回更新は7月13日(月)、16時30分の予定です。
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