■肝臓の血管系

──門脈という血管が肝臓に入ると言われましたが、門脈とは何ですか?

肝臓には、二重の血管系があります。二重の血管系とは、胃や膵臓、小腸などの消化管を経て肝臓に入る門脈と、心臓から腹部の大動脈を経て肝臓に入る肝動脈です。門脈と肝動脈は肝臓に、全肝血流量のそれぞれ70パーセント、30 パーセントを供給しています。

門脈を流れている血液は、腸で吸収された栄養分を含んでいます。消化管で消化されたブドウ糖やアミノ酸などの栄養分は、まず小腸の毛細血管に吸収されて上腸間膜静脈と呼ばれる静脈に集まります。

この上腸間膜静脈は、脾臓から流れ出た脾静脈と合流した後、門脈と名前を変えて肝臓に入ります。腸管からの門脈血流と先にお話しした肝臓の機能とは密接な関係があるため、門脈は機能血管と呼ばれています。

一方、肝動脈は胆管に沿って走り、肝臓の中では胆管周囲に毛細血管叢を形成します。肝動脈には酸素を多く含んだ血液が流れていて、胆管を含むグリソン鞘を栄養しています。

グリソン鞘については、後ほど肝臓の微細構造の中でお話しします。

肝臓の静脈である肝静脈は、肝臓を出てから下大静脈という太い静脈に合流して心臓に戻ります。

図2は、核磁気共鳴画像法(magnetic resonance  imaging: MRI)という検査で撮影した肝臓の血管構築像です。肝臓に流入する門脈と肝動脈、下大静脈に流入する肝静脈が肝臓内で交錯して走行しています。このように、肝臓内には無数の血管が張り巡らされています。

写真を拡大 図2 肝臓の血管構築像(MRI)

なお、消化管から吸収された脂肪は、腸上皮細胞の吸収面と反対側にある毛細リンパ管に入ります。そして、胸管という胸の脊椎の傍を通っている管の中を流れて、頸部で静脈の中に入り、全身の血液循環に運ばれています。

 

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