【前回記事を読む】肝臓が弱ると、お酒に酔いやすくなる?…「飲みすぎ食べすぎの人は要注意!」肝臓の機能について、医師が解説
第1章 胆石ができるまで
第1回 肝臓と胆管の構造と働き
■肝臓の微細構造
──肝臓の微細な構造についても教えてください。
肝臓は多くの種類の細胞でできていますが、肝臓の働きの主役は肝臓の重量の約90パーセントを占めている肝細胞です。これからお話ししようとする「胆石によって肝臓もわるくなる」ことを理解するためには、肝臓の微細構造がどのようになっているかを知る必要があります。
・肝小葉
肝組織の構造単位を肝小葉といいます。これは、直径1~2ミリメートル、長さ1~2ミリメートルの6角柱ないし多角柱で、肝細胞索、類洞、毛細胆管、グリソン鞘、中心静脈などが集まったものです。
肝小葉の中心を中心静脈が走り、そこから周囲に肝細胞索が放射状に並び、6角柱の角にグリソン鞘が配置しています。1つの小葉には約50万個の肝細胞を含み、その肝小葉が約50万個集まって肝臓が作られているといわれています。
・肝細胞索と類洞、ディッセ腔
肝臓を顕微鏡で拡大して見ると、肝細胞は、隣り合う肝細胞同士が密着して1~2層のシート状の肝細胞板、あるいは肝細胞索と呼ばれる索状の構造になっていることがわかります。この肝細胞板は類洞と呼ばれる毛細血管に取り巻かれているために、肝細胞は血液の流れの中に浸っているような状態になっています。肝臓が毛細血管の塊といわれている所以です。
類洞内腔にはクッパー細胞と呼ばれる貪食細胞が存在していて、血液中から、古くなって傷害された細胞や体内に侵入した細菌などを除去しています。
肝細胞と類洞との間にはディッセ腔という間隙があり、ここが肝のリンパの始まりといわれています。このディッセ腔の類洞内皮細胞にはこれを裏打ちするように多くの偽足様突起を伸ばした星(伊東)細胞があり、突起を伸び縮みさせて類洞腔を収縮させ、血流を調節しています。
そして肝細胞と類洞は、
①すべての肝細胞が類洞に直接取り囲まれていること
②肝細胞の類洞面に多数の微絨毛があり、類洞に面している面積が肝細胞全体の70パーセントにもなっていること
③類洞の細胞に多数の孔があいていることによって、肝細胞が活発に効率よく物質交換を行うことができる構造になっています。