【前回記事を読む】あなたは大丈夫!? 胆石によって肝臓も膵臓もわるくなる…!? まずは胆石ができる原因を知ることから始めよう
第1章 胆石ができるまで
第1回 肝臓と胆管の構造と働き
■肝臓の構造と働き
肝臓の機能には胆汁の合成・分泌のほかに次のようなものがあります。
まず、栄養を合成・分解・貯留する働きがあります。食事として摂った食物の中の炭水化物は、私たちのエネルギー源であるブドウ糖として腸で吸収され、肝臓に運ばれます。
肝臓では、余裕がある場合にはブドウ糖からグリコーゲンが合成され、ブドウ糖が必要な時にはグリコーゲンが分解されてブドウ糖が合成されます。
この糖質代謝のほかに、アミノ酸や血液の凝固因子、各種の酵素、免疫グロブリンなどの蛋白質合成やコレステロール、中性脂肪の合成などの脂質代謝も行っています。
──肝臓が弱ると、お酒に酔いやすいといわれますが?
アルコールは、胃や小腸で吸収された後に肝臓に運ばれて、無害の酢酸に分解されます。肝臓でアルコールを分解する能力が弱ければ、お酒に酔いやすい、つまりお酒に弱いということになります。
肝臓は、このアルコール代謝のほかにも、薬物代謝、蛋白質の分解によって体内で発生したアンモニアを人体に無害な尿素に分解する解毒作用の機能も持っています。
──腸にいる細菌は、腸の粘膜から肝臓の中に入ると聞いていますが、本当ですか?
腸内細菌が腸の粘膜を通過して体内に移行することがありますが、これはバクテリアルトランスロケーション(Bacterial Translocation)といわれています。
消化管の中にいる細菌は、腸粘膜から門脈という血管の中に入り、肝臓に運ばれます。しかし、大部分の細菌は、肝臓の類洞という血管の中にいるクッパー細胞という特殊な細胞に食貪(どんしょく)されます。つまり肝臓は、細菌が全身に広がらないようにするためのフィルターとしての役目も果たしているのです。
また、古くなった赤血球を処理して、先ほどお話ししたように、胆石のもとである胆汁の分泌も行っています。