【前回の記事を読む】大卒初任給が2万円だった頃、5万円の競艇用ボートを買った。親から隠すために、2人がとった行動は……
第一章 企画と失敗を繰り返した幼少期
ボートの企ての挫折
しかし十五歳のこの体験は、その後の中山武司の人生に無駄ではなかったような気がする。武司は子供の頃からエンジンの音に憧れと夢を感じていた。
そして最初に目を付けたのが中古のボートであった。
いくら安く買ったつもりでも整備が行き届いていなかったりすれば結果として高い買い物になる。こうした体験があったからこそ中古二輪車を流通させるビジネスが想像できたのではあるまいか。
そしてその中古商品の情報をしっかりと買い手に提供しなければいけないという「バイク・データ・サービス」の発想へとつながったのではないか。
そしてもう一つ「企て」である。
子供時代に親の目を盗んで自分の夢を実現させるためには「企画力」が必要だろう。いたずら心、あるいは悪知恵と大人は言うかもしれない。
しかしそういう経験をした子供とそうでない子供では、発想力に差が付くにちがいない。
武司は子供のころからそんな企画を立てては失敗も繰り返した。
それを糧にできたからこそやがてビジネスの成功につながったのではないか。大人になってからの失敗は取り返しがつかないが、子供時代は大いに失敗すべし。「うるさい母」という難関に挑み続けた武司はたくましく成長してゆく。