【前回記事を読む】点滴の後は“ご褒美”をあげるようになって、やっと病院に慣れてきた。この子は新しい環境が苦手で…

悲しみの底で見つけたもの~猫さんが生きた八十九日間の記録

二月二十八日(金)

いよいよこの日がやって来た。幼稚園児の息子は妻の父にお願いする事にして、猫さんと妻を助手席に乗せ、川口市の二次病院へと向かった。

ひたすら国道を走るうちに渋滞に巻き込まれそうになり不安になるが、多少車列が詰まったと思った途端にすぐにスムーズになり、無事遅れずに到着した。

ホテルの様な装いの灰色の大きな扉を抜け、エレベーターで二階に上がる。すると、かかりつけ病院とは全く違う荘厳な空間に圧倒される。正面のカウンターに佇むのは、事務の人というよりはコンシェルジュのようだった。

受付を済ませ、不必要なくらい大きなソファに腰かけて猫さんの頭を撫でていると、いくつか並ぶ個室ブースの一つに呼び出された。

出迎えた医師は女性だった。まずは問診から始まり、事細かに訊かれたが、なぜ普段シャンプーをするのかという問いや、三種混合ワクチンを二年間摂取していないのはなぜかというものなど、猫を理解していないような質問もあった。

長毛猫のシャンプーは推奨されているし、完全室内飼育の猫のワクチンは三年に一度で良いと提言されているのを知らないのだろうか?

この先生は猫以外の動物の専門なのだろうかと不安になる。

それともこちらの猫への知識を試しているのだろうか? 早速検査計画が立てられ、この日は採血とエコーと尿検査を行う事になり、猫さんを預けた。

三時間後に検査結果が判明するというので、私と妻は車で二十分程のイオンモールに行って、お昼を食べる事にした。