しばらくすると、担当看護師が、「右足が腫れてきています」と報告してきた。
PCPSのチューブが右足の付け根、鼠径部に入っていることから、右足の血流が悪くなり、右足が腫れてきていた。
なるべく早くPCPSから離脱する必要があると考え、離脱できるか判断するためにPCPSの補助の流量を減らすように臨床工学技士に指示をした。
補助流量を1リットルまで減らしても、血圧が十分維持されているのを確認した。
『これ以上補助流量を減らすと、血液がPCPSの回路内で凝固してしまいます。これ以上減らすのは難しいです』と技師はコメントした。
私はPCPSからの離脱は可能と判断、臨床工学技士や担当の看護師たちに指示をして、ICUの中で急遽、PCPSから離脱し、外科的に右鼠径部に挿入されていたチューブを抜去した。
しかし、チューブを抜去した後も右足はパンパンに腫れ上がって、右足の血流障害はすぐには改善せず、右足が腐ってしまうと思った。
除圧をするために、右下肢の筋膜切開を行う必要があると判断し、実施した。この小手術のために麻薬で鎮静をかけたので、彼の自発呼吸はまた消失してしまった。
今日の処置はここまでとし、人工呼吸器からの離脱は、明日1月3日朝に行う予定として、今日はやや穏やかに家に帰ることとした。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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