一方で由記子と言う名の、もう一人の愚かな女の生き方も続くのだ。

夜のホステスに嫌気が差しただけで、昼間の仕事を始めた由記子に、と言っても何の保障もない、派遣の仕事だったが、あっと言う間にニヶ月が過ぎ、そして嬉しい事があったのだ。

派遣の給料で古臭い匂いのする、あのアパートから出られたのだから、窓のカーテンを替え気に入った飾りものを置き、初めて味わう喜びに由記子は、これから楽しい事が起きそうで、今までの自分が変わる気さえしたのだ。

それにしても高額なギャラの、ホステスの時には少しも貯まらなかったのにと、しかし良い思いなんて続きはしないのだ。

職場の冷たい視線に苛めを感じ、堪えられない辛さは地方から、出て来た者を更に悲しみへと、突き落とすのか、人並みに昼間働く事を選んだのだ。

辞めるべきなのかと、逃げる事を思う由記子は一人アパートで、華やかだったホステスの頃を思うのか……。

夜のホステス達にとって、関心があるのはホステスの稼ぎとなる、指名客とギャラの事だけなのだ。由記子のようなヘルプホステスには、逆に愛想が良いくらいだった。

苛めなんて何処にでもあるのだろう、それが自分の身に振りかかるとは、誰にも言えず出るのは溜息だけなのだ。

苛めが憂さ晴らしだとでも思っている奴らに、ただ思うのはからっ風から逃げる方法を、上手に使う者だけが難を免れ、良い目を見るという事が──何の手段もない由記子は、今日も苛めの真最中だった。