《助けて下さい。セリナオというリウマチの薬で妹が亡くなりました。セリナオの服用を開始してから4年ほど経った頃、妹が心臓の強い痛みを訴えるようになりました。

すぐに救急外来を受診しましたが、検査では異常が見つからず、その日は大学病院の紹介状だけ貰い帰宅しました。翌週の月曜日に大学病院の循環器内科を受診する予定でしたが、その日の前日に妹は亡くなりました。医師には、急性心筋炎と診断され、セリナオとの因果関係は不明と言われました。

でも後日、ネットで調べると、他にも同じような方がたくさんいることが分かりました。私が調べただけでも十五名。稀な症例と片付けることはできないと思います。妹が死んだ原因はセリナオとしか考えられません。

何の根拠もない文章で不可解に思うかもしれませんが、本当にそれ以外に思い当たることがないのです。セリナオの薬害を調べ、公表して頂けませんか? どうかお願いします》

前職が医療ジャーナリストの土橋は、政治家としてどう対応すれば良いかを思案していた。すると、その週のうちに同じようなメールが数十件届いた。

住む場所も年齢も既往歴も様々だったが、共通点が二つだけあった。――「セリナオの服用を始めた数年後に、重篤な後遺症の発症や不可解な死を遂げていること」「誰一人、セリナオとの因果関係を認められず、行政解剖などの調査を受けていないこと」――

土橋直人は、被害者のメールを見て、何かがおかしいと感じた。医療ジャーナリストとしての経験が、彼にセリナオのきな臭さを強く感じさせていた。

 

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