【前回記事を読む】「この犬がどういう犬か、ちゃんとわかって飼いましたか?」ベテラン獣医師にやや厳しい顔で言われ…
第2章 「J」との暮らし
赤い縄
私は「J」と出会えたことに心から感謝していた。
20代からずっと休みなく働き続けてきた私への、神様からのプレゼントだと思った。
「J」は私たち夫婦にとって、やんちゃな一人息子のような存在だった。
人間の子どもは、どんどん成長して大人になっていくが、「J」はずっと3歳半のまま。永遠の幼稚園児だった。
ついこの前まで不妊治療をしていた女は、自分ではなく、まるで別人のように思えた。
あれは、何だったのか。
「J」を迎えるための、〝儀式〟だったのだろうか。
たった1年前までのことが、遠い過去のように思えた。
コウノトリが運んできたのは、赤ん坊ではなく、「J」だったのかもしれない。
動物保護団体
「J」との幸せな時間を過ごしていた私たちだったが、「J」が3歳になった頃、動物保護団体のことを知った。
幸せなペットたちがいる反面、飼い主に捨てられたり、ブリーダーに廃棄されたりして保健所に収容された犬・猫たちが殺処分されている事実を知り、衝撃を受けた。
今でこそ減っているが、当時はまだ犬・猫合わせて年間34万匹以上が殺処分されていた。
そして、そのようなコたちを1匹でも救おうと活動している「動物保護団体」の存在も知った。
中でも、「J」と同じボーダーコリー専門にレスキュー活動をしている団体があることを知り、そこから「J」の妹分を迎えたいと思うようになったのだ。
保護犬「小雪」
「J」より小柄で女の子だったら、どんな子でも良かった。
全国組織だというその保護団体のHPを見ると、当時、関東で「里親募集中」の女の子は「ローズ」だけだった。