「赤ん坊のようには見えませんが」

「冷凍されていても脱皮を繰り返しながら成長しているのだ。もう10歳になる。栄養も水分も一切摂取していないというのにまさに化け物だよ」

鷹山は薄気味悪い笑みを口元に浮かべた。

「だが今のままではプールで冷却されている使用済み核燃料と同じ、金を食うだけの無用の長物だ。こいつの力で河原賽子を滅ぼすために、何とか力をコントロールする術を覚えさせなければいけない。

そこで私は考えた。賽子はどうやってあの無限の力をコントロールできるようになったのか。航空機爆発事故から生還した時、彼女の真の力が目覚めたはずだ。それを暴走させずにうまくコントロールできるようになったのは国際超能力研究所での訓練が役立ったに違いない。

私は当時刑務所に収監されていた那花博士に面会し、賽子の秘密を教えるよう要請したが、彼は断固として拒否した。だから工作員に指示して刑務所内で超能力(フォルス)による拷問を行った。

しかし強情にも彼は口を割らないうちに、拷問に耐えきれず死亡してしまった。それからは半ば諦めていたのだが、最近になって一つ思いついたのだ」

「何でしょう?」

「博士の娘、那花麻利衣だよ。私は彼女が賽子の秘密を何か知っているのではないかと考えている」

山口は賛同できないのか黙っていた。

「山口、確かに私には超能力(フォルス)はない。ところがこういう時の私の第六感は超能力者(サイキック)にも引けを取らんのだよ」

鷹山の高笑いに山口は戸惑っていた。

本連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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