【前回記事を読む】犬を可愛がっても「教育」はしない飼い主が急増。街中で見る犬には、ストレス性行動も多くみられていて……
第1章 犬にトレーニングは必要なのか
グッドボーイハートという学び場
一方で、野犬としての遺伝子が強く残っている犬は、人の管理を拒否することもあります。野犬は感性の優れている犬が多く、人のことをすぐに理解する上に、犬の習性と本能が強く残されている貴重な存在です。
犬を犬として尊重しながら関係性を築いていくという道のりは、大変だからこそトライする価値も高まり、教えられることも多いものです。
グッドボーイハートの犬育てとは「犬が犬として生きる時間を大切にすること」です。動物として生まれた以上、自分の持てる能力をできるだけ使い切って生きることに価値がある、成長もまたその過程にあると考えるからです。
犬として発達するための環境を整えること、犬が豊かな社会活動を継続できるようにするための、飼い主や他者との関係作りを提案しています。
具体的には、飼い主は動物としての犬の「習性と本能」を学びます。「習性」の中には犬が必要としている環境、経験や学習のための情報が入っています。次に、犬を管理する道具の使い方や目的を学びます。
「本能」の中には行動学、コミュニケーション学が入ります。これらの知識を学ぶことで、犬を動物として理解し、犬を犬として尊重する関係を作ります。
犬の習性や本能を理解するために、当たり前のことですが犬が動物であることを忘れず、同時に人として自分を見つめる時間も大切にしています。
クラスの中で重点を置いているのは、犬と人の社会活動です。普通なら散歩という活動ですが、都会での散歩だけでは犬としての活動に限界がきています。そこで犬と山で学ぶ環境を提供しています。それが山の学校「オポハウス」です。