【前回記事を読む】どのくらいの時間が経っただろう——新宿中央公園で、お見合い相手からの返事を待っていた。私は彼女の肩に両手をかけて…

片想いだらけの青春

4 初めてのお見合い

エピローグ

会ってからまだ四か月しか経っていなかった。彼女の気が変わらないうちにと急いで結婚式を挙げた。

新婚旅行は念願の沖縄、星砂が話題になっていた竹富島(たけとみじま)に決めた。民宿旅

館小浜荘では夕食のあと三線(さんせん)演奏の歓待を受けた。

翌日、民俗資料館(喜宝院蒐集館)で結婚式のお色直し風に沖縄の正装「琉装」に着替えて記念撮影をした。同宿の学生さんがその様子をスケッチしてプレゼントしてくれた。大切な思い出としてアルバムに加えさせてもらった。

西武百貨店での思い出

「浮沈戦艦」と誰もが思っていた池袋西武が売場を半減、看板を付け替える時を迎えた。手始めに慣れ親しんだ「西武パーキング」が「ヨドバシパーキング」に名称変更され、贅肉をそぎ落とした駐車場ビルに変わった。

昭和四十年代──当時流通業界は群雄割拠。日々鎬(しのぎ)を削っていた。中でもSEIBUは新興勢力で、老舗デパートにはない活気にあふれていた。そんな中に途中入社でポツンと放り込まれて右往左往していた私にとって、転機は食品フロアへの異動であった。

管理部門から営業部門への配置転換は「未知への挑戦」。戸惑いもあったが、商品知識や業界慣習など経験豊富な人たちに交じっての自分の武器は、ただ一点「お客様目線で自分の売り場を見れば、同じ土俵で戦えるのでは」という「素人の目」に徹することだった。

健康食品売り場に持ち場が変わって、さっそくその業界での重点取引先であるM健康食品の本社を訪問して業界事情についてレクチャーを受けた。