「係長、3件の火災現場付近で防犯カメラに白いトラックと灰色の制服を着た2人組の作業員が映っていないか調査を指示してください。そいつらが事件に関与している可能性があります」

「え、何でそいつらが?」

「岡本さん宅に火災当日の朝、その2人組が大きな段ボールを搬入していますが、同じ段ボールをそのまま持ち帰っているんです。その中に被害者がいた可能性があります」

「ちょっと待て。その2人組が侵入した住宅の中で岡本さんを生きたまま、或いは殺害して、その段ボールに入れて持ち去ったと言うのか?」

「はい。おそらく犯人はどこかで遺体を骨まで炭化するほど焼いた後、遺体を再び自宅に持ち帰り、ガソリンをかけて放火したんだと思います」

「えっ、何でそんな面倒なことを」

「それはまだ分かりません」

「まあ、分かった。とにかく映像を調べてみよう」

二人は作業に取りかかった。

5月3日土曜日、麻利衣は千晶とカフェ・ガラクシアで話をしていた。

「連休初日なのに私となんかいていいの? いつもなら海外旅行に行ってるんでしょ?」

「いいのよ。今年は彩斗との結婚を控えているから、元々旅行に行く予定はなかったし、それに今日は彼も実家に行ってるしね。それより、お母さんのことは本当に残念だったわね」

「うん、ありがとう。千晶のお陰で最期を看取ることができてよかった」

「ところであの時、鍬下さんが古葉月渚という名前を出して、お母さんは賽子さんのことを指差してたけど、どういうことなの?」

「実はね」

次回更新は3月16日(月)、21時の予定です。

 

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