【前回の記事を読む】がんの予防方法として最も効果があるものは? 健康のために知っておきたい、がんの一次予防、二次予防、化学予防
第二章 がん医療について
がんの治療
わが国でも1930年代からラドンなどを用いた放射線治療が始められていた。1950年代になってコバルト60を用いた遠隔照射装置が開発され、わが国にも導入された。
わが国では放射線治療の専門医が少ないこともあって、放射線治療の件数が米国などに比べると大幅に少ないと言われてきた。このことは、がん薬物治療とよく似た状況にあったと思われる。
その後、1964年リニアックと呼ばれる放射線透過性の強い装置が日本にも導入され、X線CTを用いた照射位置の診断が正確にできるようになり、1990年代には、定位放射線照射や3次元照射が行われるようになった。
さらに、2000年になると強度変調X線治療(IMRT)が開発され、放射線の強さを調節することによりがんの部位には強く照射し周囲組織に対する照射を少なくする方法が開発された。
また、粒子線治療も、最近になってその保険適応の範囲が拡大され、日常診療への拡がりが期待されている。がん薬物治療については次章で詳しく述べることにする。
実際のがん治療においては、手術治療、放射線治療、薬物治療を組み合わせた集学的治療が行われることも多い(第三章の「がんの集学的治療」の項参照)。