「鑑識の捜査で二人の部屋の通気口にパイプが引かれていたのが分かった。それはあなたの部屋に繋がっていた。まだあなたの部屋の捜索差押許可状は取っていませんが、勝手ながら捜査員が天井から室内を覗いてみたら、大量の液体窒素ボンベが置かれていました。
あなたは昨夜0時にボンベのバルブを開き、二人の部屋を窒素で充満させた。酸素濃度が14%を下回ると、頭痛、嘔気、めまい、注意力の低下、協調運動障害が生じる。
剛さんはこの時点で呻き声を上げたが、真っ暗で慣れない部屋のためライトを点けることもできず、ドアの方向も分からず、ベッドから転がり落ちることしかできなかった。
そのうちに酸素濃度が6%を下回り、意識を失い死に至った。部屋の中が寒かったのは液体窒素が気化したばかりだったからでしょう。
二人の死亡を確認しに行ったあなたはこの広間で直美さんに会った。部屋の方が安全だとか嘘をついて彼女を部屋に入れ、出て来れないようにドアを押さえて彼女が息絶えるのを待った。そして広間に戻った時に那花さんと出くわした。どうですか?」
「そうだ。あの二人はずっとお嬢様を虐めていた。遺産欲しさにお嬢様に危害を加えることは明らかだった。だから殺した」
その時、貴子が意識を取り戻し、頭に手を当てながら後ろを振り返り、足立がナイフを持っているのを見て悲鳴を上げ、再び頭を抱えて床にうつ伏せになった。
「貴子さんが崇夫氏の前妻を殺したと言ってましたが本当ですか?」
「ああ、本当だ。私はいつも見ていたんだ。毎日午後3時のティータイムの時に奥様のカップに貴子が粉薬を混ぜて溶かすのを。私は奥様に忠告したが、奥様は、貴子がそんなことをするはずがないと笑って相手にしなかった。そして遂に奥様は倒れられた。あれは貴子が毒殺したに決まっている」
貴子が驚いて頭を上げ、目を丸くして足立を見つめながら反論した。
「何言ってるの? あれは亜紀さんが病院から処方されていた粉薬よ。亜紀さんは粉薬が苦手でどうしても飲めなかった。だからいつも紅茶に溶かしておくよう言いつけられていたのよ。
『いい大人のくせに粉薬が飲めないなんて知られたら笑われちゃうから、家族にも内緒にしておいてね』っておっしゃったのでずっと黙っていたのよ」
「そんな言い訳が通用するか。おまえが、おまえが奥様を殺したんだ!」
足立は鍬下の隙をついて貴子に近づこうとした。
「それはない」
その時、賽子が言った。
「『超能力探偵 河原賽子』総集編ピックアップ」の次回更新は3月1日(日)、20時の予定です。
『超能力探偵 河原賽子』待望の第3章が、2月27日(金)からスタート!
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