【前回の記事を読む】妻を亡くした後、親身になってくれた家政婦と再婚した。しかし、彼女は猫を被っていただけで…1年後、本性が露わに。

サイコ2――死の予言者

華怜が意味ありげに貴子の方を見遣ると、彼女ははっとして腕時計に目をやり、狂ったように叫んだ。

「あと40秒……あんた、早くその女をどうにかしなさいよ!」

賽子は泰然として言った。

「おまえの言うとおり、通常なら真の予知能力者の予言は決して外れることはない。だが私は完全能力者(パーフェクトサイキック)だ。私なら既に決定した運命を変更することができる」

賽子は棺の上のカードから一枚をめくると、皆に見せた。

「世界、正位置。完全、完璧を表す。まさに私に相応しいカードだ」

そう言うと賽子はつかつかと貴子の前に歩み寄り、呆然と見上げている彼女の頭部を拳で思い切り殴りつけた。彼女はぎゃあと悲鳴を上げた後、失神して前方の床にうつ伏せに倒れ込んだ。

「何するんですか、賽子さん!」

麻利衣が慌てて貴子の元に駆け寄った。

「よく見ろ。私は彼女の命を救ってやったのだ」

賽子の視線の先を追うと、貴子が座っていた椅子の背からサバイバルナイフの鋭い刃先が飛び出しているのが見えた。それを引っこ抜き、立ち上がったのはそれまで貴子の後ろの席に座っていた足立だった。

「きゃああっ!」

女たちが悲鳴を上げた。

足立は右手に回り込み、さらに貴子を狙おうとしていた。五日市署の刑事が背後に回り込んだので、足立はナイフで彼を牽制した。

「ナイフを捨ててください」

足立の前に立ちはだかった鍬下が冷静に指示したが、彼に従う様子はなかった。

「足立さん、どうして……」

麻利衣が目を丸くして言った。

「この女は奥様を、ひとみお嬢様のお母君の亜紀様を殺した! この強欲な女を殺してしまわなければ、残りの遺産を手に入れるために、必ずお嬢様を手にかける。その前に私が始末する!」

「直美さんと剛さんを殺害したのもあなたですね」

鍬下が言った。