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丙午と野良猫記

また、女の子達の人気の的だったユニットも登場。小学校の校庭や近所の公園で、仲良しの友達と二人組や三人組になって練習したものである。

歌番組をリアルタイムで見て、テレビの前で踊って練習した。時には振り付けがマンガ本に細かく掲載され、その一つ一つの動作を真剣にチェックしてマスターもした。今思えばとても楽しい子供時代であった。

その頃、演歌、歌謡曲、ポップスとあらゆるジャンルの曲が、テレビやラジオを通して流れていた。

おませな歌を子供達が訳もわからず大声で歌っていても、大人達に怒られた事はなかった。平和な時代である。

子供は記憶力が良いので、歌謡番組や町でラジオから流れる歌を聞いていると、自然と覚えて歌えるようになってしまう。この時代の歌は歌詞も素晴らしく、メロディーも覚えやすかった。

年末のレコード大賞や、紅白歌合戦をテレビで視聴するのが家族の楽しみだった。大人になった今でもこの気持ちは変わらない。

私は「今年の新人賞は誰だろう? レコード大賞はあの人かなぁ?」と推測して見るのが好きだった。

更に楽しみと言えば、小学校六年生の時に登場した宇宙人のシューティングゲームだ。これほど面白く夢中になるゲームはなかった。

冬休みのお正月、駅前にあるゲームセンターの行列に並んだ。寒い中お年玉を持って、友達とワクワクしながら順番を待った。

お店の中はうす暗くテーブルも黒や茶色で、決して健康的な雰囲気ではなかった。ちょっと大人っぽい、いや、妙におじさんっぽいタバコの匂いがするような場所で、子供達が夢中になってゲームをしていた。

大人ぶりたいこの年頃には、ピッタリの遊び場所であった。ただ、あんなに人気があったのに、ある時からそんなに流行らなくなってきた。

行列になって意気盛んだった場所がいつしか人気も低迷し、シーンと寂しい雰囲気に変わった事を今でも記憶している。

人気というのは、いつの時代も移ろいやすいものである。