「前ほどではないですね。儀礼的な会議や業界団体の集まりなどは、皆さんリモートで良いと感じています。

一方で、お互いの背景までしっかりわかり合いながらネゴシエーションすべき場面は、以前よりしっかり時間を使えているかもしれません。リモートだけで構築できる、深い人間関係は、まぁ、ありませんから。むしろ、以前より、人間力が試されるようになっているのかな。ともあれ、オンラインとオフラインを使い分けられるようになったのは、ありがたいものです」

おだやかな表情の紳士が、グラスを目線まで軽く掲げ、乾杯する。

「能美さん、今年も学びの機会をありがとうございました」

ネイビーは毎年2回、世耕さんのグループにある専門商社で、新規事業開発や時流展望のワークショップを任されている。1回に15人、1か月間で300案を出すプログラムは、〈シートノック〉と呼ばれ、6年ほど続いている。

「当初は、ひとりで何案も出すことに抵抗も受けましたが、とにかく粘って、メンバーの何百案を壁に貼りだすことが、壮観ですし、達成感がありますね。今回は、世耕さんの記憶に残りましたか?」

オンタイは、プロジェクトルーム全面に貼られた300越えのアイデアを、社員とじっくり吟味する日は、必ず参加している。一見、なんともない企画でも、異なる職務担当の視点でみると、普段は発想しにくい意外なヒントが潜んでいる。材料が多いほど、お互い、思わぬ気づき合いも増える。

このワークショップから、過去に十数件ほどの新規事業企画や新商品開発、協業案件が生まれた。

次回更新は3月11日(水)、11時の予定です。

 

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