【前回記事を読む】私は「三高」ならぬ「三低」だ――努力もしないくせにプライドだけは高く、周りの目を気にして生きていた

第一章 なぜ私たちの心は苦しくなるのか

2  コンプレックスを抱く要因 ─「現実自己」と「理想自己」

著書『ひと目でわかる脳のしくみとはたらき図鑑』1には、「現実自己」と「理想自己」について次のように記述されています。

私たちの認識する自分自身のあり方(現実自己)と、そうなりたいと願う自己像(理想自己)は必ずしも同じではない。そして私たちの現実自己の認識は、社会環境がもたらすさまざまな情報や意見によって変化していく。ある心理学派の考えによれば、現実自己と理想自己が近いときの方が、バランスのとれた幸せな生活を送ることができる。

黒木俊秀/神野尚三 日本語版監修

このことから【図1】のように、今の自分である「現実自己」が、なりたい自分である「理想自己」に近づくと幸福感が得られます。

一方、「現実自己」が「理想自己」から離れれば離れるほど、自分はダメな人間だと思い込み、自信を失っていきます。このギャップが、さまざまなコンプレックスを抱く要因となるのではないでしょうか

それでは、私たちはどのような「理想自己」を思い描くのでしょうか。

【図2】の例で示しているように、多くの若い人が「背が高くなりたい(これは私の場合ですが)」「かわいくなりたい」「カッコよくなりたい」「スリムになりたい」「異性にモテたい」といった外見上の理想像をもちます。

また、「有名高校や有名難関大学に進学したい」といった学力面の理想像、または「高収入の有名企業に就職したい」「出世したい」「お金持ちになりたい」などの職業・地位・財産に関する理想像を描くのではないでしょうか。