季節は巡った。あらゆる季節のなかで、時には上半身裸で、時には頭から毛布を被り込んで、彼は笛を吹いた。彼女達の眠るティーピーに背を預け、空を眺めて笛を吹く夜には、彼の好きな静寂があった。来る日も来る日も星を眺めて笛を吹いていたので、彼の瞳の中にはいつしか、天の川が映り込むようになった。
ハミングアローは、その瞳を好きになった。彼の吹いてくれるメロディーは、他では聞いたことのないような音色で、同じ一本調子のメロディーなのに、日によって聞こえ方が違った。
クスクス笑いの声のように聞こえる日も、叶えられなかった夢の断片が瞬く音のように聞こえる日もあり、そしてなぜか、大好きだった叔母がよく歌ってくれた、懐かしい頌歌のようにも聞こえた。頌歌は、今はそのまま叔母への哀悼歌になっているけれども。
彼の笛の音なしには眠れなくなってしまったと、ハミングアローは父に告げた。キッキング・バードは、ドゥモが若くして死ぬ運命にあることを娘に思い出させようとしたけれど、彼女はそんなことは初めから分かっていると反駁した。
「分かっていやしない。お前は何にも分かっていないのだ、娘よ。愛する者を理不尽なほど早くに亡くすことが、どれほどの痛手になるか……。魂が損傷する。心が傷つくのではない。魂そのものが損傷するのだよ、ハミングアロー。そんなにも若いうちから」