【前回の記事を読む】ヒトは肉を加熱して食べるようになったため抗酸化成分が得られない!? 健康のために知っておきたい抗酸化成分の重要性とは
1 健康第一
2 健康を維持する食事
野菜を毎日食べよう
がんの直接の原因は、慢性炎症で発生する活性酸素により遺伝子が変異するためであることが分かっている。従来がんを引き起こすと言われているウイルスやピロリ菌、タバコなどは、体内で慢性炎症を引き起こすことにより、がんを二次的に誘発するのである。
がんの前兆として慢性炎症があることは分かっていた。
慢性炎症では、免疫細胞が異物を攻撃する際に大量の活性酸素を発生させ、その活性酸素のうち最強の活性酸素であるヒドロキシラジカルがDNAの塩基に直接結合して変異させる。
ヒドロキシラジカルがDNAの塩基に結合する反応は、ビタミンCなどの抗酸化成分があれば、活性酸素種は消去され、その害は抑制される。緑色の野菜ががんの予防に役立つ理由である。
国立がん研究センターと理研が肝臓がんの患者の遺伝子分析した結果によると、細胞あたり約1万個の変異が蓄積すれば、約250個ある発がん遺伝子のいずれかが変異して、細胞ががん化していることが分かる。
がんの予防のためには、この遺伝子変異の蓄積を防ぐ必要がある。通常DNAの変異はDNA修復系が作用して修復されるが、慢性炎症ではDNA修復系では修復しきれないほど大量の活性酸素が発生し遺伝子を変異させる。
長期間大量の活性酸素にさらされて、ゲノム中に突然変異が蓄積するのである。これががんの原因の特徴である。
一般に流布されている農薬や食品添加物による発がんは、慢性炎症による大量の活性酸素ほどの影響はなく、少なくとも主要な原因ではない、と考えられる。
がんの原因として、細胞分裂時のミスコピー説がある。細胞が分裂する際にDNAの複製にミスが発生して、それががんの原因になるという説明である。この説は、高齢になるとがんが多くなることを説明するのに便利であるから、主に医者が多用している。
しかし、この説は間違いである。細胞分裂時のミスコピーが原因であるのであれば、ヒトよりも大きいゾウやクジラでがんが多発することになるが、ゾウやクジラにはほとんどがんは見つかっていない。細胞が分裂するときにDNAのミスコピーが起きても、それはDNA修復系により素早く修復される。
もし、細胞分裂時のミスコピーが残るのであれば、人類は数百万年もの間にそのミスコピーが蓄積して人類の機能は劣化しているはずである。ミスコピー説は、がんを防ぐことは不可能であるから、治療に精を出すべきであるとの「あきらめ説」であると見なすことができる。