がんの予防には、慢性炎症を引き起こす原因をできるだけ少なくすること、である。
肺に炎症を起こすタバコを止めることや、胃がんを誘発するピロリ菌を除去したり、肝炎を誘発するウイルスの除去、子宮頸がんを誘発するヒトパピローマウイルスによる感染を防ぐために、ワクチンを受けることは有効である。
また慢性炎症を治療することも重要である。慢性炎症に発熱が伴えば、自覚できるので、医療機関に相談すればよい。発熱がなければ、自覚症状はないが、健康診断時の血液検査でCRP値が高ければ炎症が起きている証拠である。
高いCRP値が続けば、炎症が慢性化していることになるので、要注意である。がんの危険性が高くなる前兆と考えてよい。抗炎症剤のアスピリンはがんを抑制する効果のあることが報告されている。
アスピリンの効果は、大規模な疫学調査で確認され、最近では大腸がんの予防に有効であることが大学病院の治験で明らかになっている。抗炎症剤のアスピリンががんを抑制することは、がんの直接の原因が炎症であることを強く示唆している。
緑色野菜に含まれる抗酸化成分は、炎症の部位で発生する活性酸素の消去に有効である。活性酸素がDNAを変異させていることは、尿中に排泄される8OHdGという物質を測定すればよく分かる。
この物質は活性酸素によりDNAのグアニンという塩基が変化した後、DNA修復系により切り出されて尿中に出たものである。
激しい運動をしたり、飲酒後に測定すれば8OHdGの高い値が出るが、ビタミンC1000mgを飲むと、1時間後には半減する。これは、ビタミンCにより活性酸素(過酸化水素やヒドロキシラジカル)が消去された結果である。
これはDNA修復系が機能している証拠でもある。がんになるのは、DNA修復系では消去しきれないほど多くの活性酸素が慢性炎症により生じ、それが蓄積した結果であるが、このとき、緑色野菜を多く食べていれば、活性酸素が消去されて、DNAの変異が起きないことになる。
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