翌日、もう一度彼に入院していた時期を確認しました。ぴったり宮本が5年生の時期と一致しました。

そしてその担当医学生は黒縁眼鏡をかけていたというではありませんか。もう間違いないでしょう。なんと三十九年ぶりの出会いでした。

かつての可愛い子どもと青年医学生が今ではすっかり見る影もない(失礼、堂々とした?)おっさん二人となりはてています。

はたして宮本は、十二~十三歳で思春期に入りかけた彼が医学の道に進むきっかけの一つとなりえていたのでしょうか?

コロナの時代、ゆっくり飲みながらとはいきませんが、いつの日か杯を交わしたいものです。

新しい職場のスタッフは五百人、そのすべての方にお会いできているわけではありません。その中で宮本が手術したお子さんたち五人の親御さんたちにそれぞれ思わぬところで挨拶していただきました。

今回は退職リーフレットをきっかけとしてこのような三十九年ぶりの出逢いもありました。

小児外科を退職し手術から離れ、なかなか気持ちの切り替えが進まない中、思わぬ出逢いに気付くと、生きることに前向きになりますね。

さあて、五階にある医局まで、階段で昇り降りできるようになりたいと思うようになってきました。

写真はまさしく、彼が大学病院の小児病棟に入院していた中学生のころ見ていた名札なのです。

(二〇二〇年八月十四日)