吉備津彦命 攻めあぐねたりしばらくは
強弓を手に時を待ちをり
二つの矢 同時につがひ放ちたり
その一本が眼つらぬく
こんこんと温羅の眼にほとばしる
血潮流れて川を染めたり
*伝承地 「血吸(ちすい)川」と呼ばれる小さな川が流れている。
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
吉備津彦命 攻めあぐねたりしばらくは
強弓を手に時を待ちをり
二つの矢 同時につがひ放ちたり
その一本が眼つらぬく
こんこんと温羅の眼にほとばしる
血潮流れて川を染めたり
*伝承地 「血吸(ちすい)川」と呼ばれる小さな川が流れている。