鬼の城を出でし温羅は勇みたち
吉備津彦命をめがけ矢を放ちたり
吉備津彦命これにこたへてつぎつぎに
温羅の攻め矢を的にして射る
まむかひて射かけ合ふ矢はあな不思議
空で噛みあひ地に落ちたり
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
鬼の城を出でし温羅は勇みたち
吉備津彦命をめがけ矢を放ちたり
吉備津彦命これにこたへてつぎつぎに
温羅の攻め矢を的にして射る
まむかひて射かけ合ふ矢はあな不思議
空で噛みあひ地に落ちたり