俳句・短歌 四季 歌集 2020.09.21 歌集「旅のしらべ・四季を詠う」より三首 歌集 旅のしらべ 四季を詠う 【第15回】 松下 正樹 季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める 最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 鬼の城を出でし温羅は勇みたち 吉備津彦命をめがけ矢を放ちたり 吉備津彦命これにこたへてつぎつぎに 温羅の攻め矢を的にして射る まむかひて射かけ合ふ矢はあな不思議 空で噛みあひ地に落ちたり
小説 『アイアムハウス』 【第8回】 由野 寿和 「助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて!」オンラインゲームの最中に背後から襲われた長男 次に深瀬はパソコンのディスプレイに目をやった。デスクトップパソコンは本体が光っており、画面にはいくつものウィンドウが表示されている。「この画面は犯行当時のままか?」「そのようです」「俺にはわからんが、何の表示だ?」「これはCHAO(チャオ)とかいう、人気のオンラインゲームだそうです。オンライン上でチャットをしながら戦うサバイバルゲームで、世界中でプレイされています。どうやら世界大会も開催されてい…
小説 『浜椿の咲く町[人気連載ピックアップ]』 【第20回】 行久 彬 客たちはぎこちない笑顔とどことなく漂う暗い陰を持つ若くて美人のホステスに興味津々で… しかし、五日目の昼を幾分過ぎた頃だった。階下の喫茶店に奈美が降りて来た。「大丈夫? 寝ていていいのよ」「有難うございます。何もすることがなく申し訳無く思っています。私にできるのならお店を手伝わせて下さい」「いいのよ、そんな積りで貴方をここへ連れて来たわけじゃないから。ゆっくりしていなさいよ」美紀は奈美の病み上がりのような覇気の無い様子に気を使わなくてもよいと断った。「でも、いつまでも寝ているわけ…