【前回の記事を読む】余命宣告を受けた娘の、最後の一食になってしまった夕食…食はろくに進まず、ナイフとフォークを皿の上にガシャンと落とし…

サイコ2――死の予言者

二人が広間へ行くと、棺の前の椅子に直美が座って泣きじゃくっていた。

「直美さん、大丈夫ですか?」

麻利衣の声にびくっと体を震わせた後、彼女は泣き腫らした顔をおずおずと上げた。

「0時が近づいてきたらやっぱり怖くなって、お母様の部屋のドアを叩いたんだけど、お母様、あれからお酒を大量に召し上がって、睡眠薬も飲まれて、大きな鼾を掻いて返事がないの。

それで、剛の部屋に行ったんだけど、剛は『2人で一緒にいると却って狙われるから来るんじゃない』って。それでどうしようもなくなってここにいたの」

「心配しないでください。私たちはあなたの味方です。私たちと一緒にいれば安全です」

「でも、あなたたちはひとみの友人ですよね。私たち、昔からずっとひとみをいじめていたの。でもそれも、お母様がそうしろと言ったから……。私、ひとみをいじめていたこと、本当に後悔しているんです。

もし、あなたたちがひとみから頼まれて私を殺そうとしているのなら、どうか赦してください。もう二度とあんなまねしませんから……」

「ちょっと待って、ひとみがそんなことするわけないじゃない。いい加減にしなさいよ」

千晶が憤慨して言うと、直美はさらに縮こまった。

「まあ、落ち着いて。私たちが人殺しに見えますか? むしろ私たちはあの占いがインチキだってことを証明しに来たんです。ここに三人でいて、0時が過ぎるのを待てば、それが証明されます。科学的に考えれば予知能力なんて絶対ありえないんです」

「そうか……そうよね」

直美はやっと落ち着いて、三人は柱時計の振り子を呆然と眺めていた。

「あと5分ね」

千晶が呟いた時だった。西側の部屋から静寂を引き裂いておぞましい呻き声が聞こえてきた。

「剛!」

蒼褪めた顔の直美が叫んだ。三人は反射的に立ち上がり、麻利衣と直美が剛の部屋に走り出した時、背後で直美が叫んだ。

「行かないで!」

二人は直美の悲痛な懇願に思わず立ち止まった。

「私の傍にいて。あそこへ行ったら私も殺される。私を守って!」

しかしもう一度呻き声が上がると、二人は再び駆け出した。後に残された直美は両手で頭を抱え、絶望的な表情でその場にへたり込んだ。二人が剛の部屋の前に来ると、ドアには案の定、内鍵が掛かっており、二人はドンドンとドアを叩いた。

「剛さん、開けてください! 剛さん!」

しかし、中からはもう呻き声さえ聞こえなくなっていた。