翌日の引き取りは、犬好きの父に行ってもらうことにした。

じつはお祝いに犬をプレゼントするけど、残りの二万円は出してちょうだいと言うと、むしろ大喜びで父は出かけていった。

夕刻、ミニダックスが犬用の粉ミルク一缶とともに引き取られてきた。粉ミルクを飲み終わったら、普通のフードを食べさせてよい、と言われたという。

きれいに洗ってもらったのか、いい匂いがして毛並みもふわふわで、美男の顔をしている。犬を抱きかかえた父はたとえようのないにこにこ顔をしている。日頃の頑固な気難しい性格はどこへやら、目尻が垂れっぱなしだ。よほど犬にご執心なのである。

さて、名前を付けるのが難題。どんな名前がよいかいろいろ悩んでいるところへ、甥のソウ君が遊びにきた。友達とスキーに行く約束をしたという。そして二晩ほど泊まることになった。

ところが風邪をひいたのか、熱を出して寝込んでしまい、結局スキーどころではなくなった。寝込んでいる間、子犬も一緒に寝ていた。

名前の話になると、ソウ君が「ジョークン」がいいよ、と言う。

お祖父ちゃんの叙勲のお祝いの記念にきた犬だから、ジョー君。

それなら造り酒屋で飼う犬らしく、「醸」の字を当てるといい、と私が提案する。

まさかこれのおかげで、のちのち飼うペットの名前まで決まることになるとは、そのときは想像もできなかった。