作者による加筆

作者は、冒頭近くに、次の三箇所の加筆をしていると考えられる。

① かばかりなることの、うち思ひいでらるるもあり、そのをりはをかしきことの、過ぎぬれば忘るるもあるは、いかなるぞ。(一二六)

これは、「しめやかなる夕暮に、宰相の君と二人、物語していたるに」と始まり、殿の三位の君を「物語にほめたるをとこの心地しはべりしか」とする箇所の後にある。

② 扇どもも、をかしきを、そのころは人々持たり。(一二七)

これは、「播磨の守、碁の負態(まけわざ)しける日、あからさまにまかでて」と始まる箇所の後にある。

③ 年ごろ里居したる人々の、中絶(なかだ)えを思ひおこしつつ、まゐりつどふけはひ、さわがしうて、そのころはしめやかなることなし。(一二七)

これは、八月二十日過ぎの土御門邸の人々の様子を描いた箇所の後にある。

 

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