【前回の記事を読む】その言葉に私は涙を流した。——仕事に追われ、つい無意識に子育てをしてしまっている。反省しなければ、と思っていると…

序章

言葉にはエネルギーが乗っている

先生は「言葉にはエネルギーが乗っている」と言っておられました。

たしかに、同じ言葉でも話す人によって心に響いたり、自分の中にスーッと入ってくることがあります。ストン、ストンと腑に落ちるというか、私もそういうことを実感したことが何回かありました。そんなときは、「やはり言葉には話す人のエネルギーが乗っているんだなあ」と思ったものです。

反対に、「君って、すごいね」とか「きれいだね」といった誉め言葉でも、「君のことが好きだよ」とか「愛しているよ」といった愛のささやきであっても、嘘っぽく感じられたりするときは、相手は本心から言っているのではないかもしれませんね。そういう意味では、言葉に乗っているエネルギーはごまかしがききません。

言葉に「本当に」をつけて言ってみる

言葉について、もう一つ。

先生があるとき、「すべての言葉に『本当に』をつけて言ってみてください」とおっしゃったことがあります。

たとえば「粋(いき)」という言葉がありますが、粋というと着物などを格好よく着こなしているとか、あか抜けがしているといった外面的なことをあらわしていると思われがちですが、そこにも「本当に」をつけて「本当の粋とは」と考えてみると、本当に粋な人は少ないような気がします。

本当の愛、本当のやさしさ、本当のあたたかさ、本当の寛大さ……、「本当に」をつけたときに「本当かな? 大丈夫かな?」と疑問が生じたら、それが成長というか、伸びしろだと思います。「本当だよ(大丈夫だ)」と思ったら、そこで頭打ちになってしまい、成長がないような気がします。